難関試験にやっとの思いで合格し、数年間の修業期間を経て、晴れて独立開業。だけど、思う様に仕事が取れない。身近な士業からそんな話を聞くことがあります。
仕事が取れずに開業した事務所を休業し、勤務に戻る士業の方がいる一方、独立開業してから、売上をどんどん増やして事務所経営を安定させている士業の方もいます。
両者を分ける違いは何でしょうか。
これは、本人のスキルや能力の問題よりも、営業活動を行う上での「意識の差」であると私は考えています。
絶対に受け身にならない
自分自身のこれまでの経験から、「受け身にならないこと」、この気持ちこそが独立開業時には何より重要であるという考えに至りました。
最初は私自身も受け身になって、「仕事を待っている」ことも多かったのですが、ある時、気が付きました。
「いつまで待っても仕事は永久に来ない・・」と。
以下、具体例でお話したいと思います。
例えば、司法書士の場合、独立開業時に銀行や不動産業者へ挨拶回り(営業)に行くことが多いのですが、この時、過去の私の様に、
「何か登記の案件がありましたら、是非お願いいたします!」
という挨拶で終わってしまっているケースも多いのではないかと思います。
よっぽどのことがない限り、この様なスタンスだと、実際に仕事が来ることはないでしょう。
今の私であれば、例えば、銀行を訪問する機会があれば、以下の様なスタンスでまずは自分を覚えてもらうことから始めます。
- 銀行の営業マンにとって有益な情報をまとめた冊子(法改正情報など)を予め作成して、持っていく
- 不動産登記、成年後見、遺言に関する勉強会の開催を提案してみる
- 銀行の営業マンに最近の融資動向をヒアリング⇒自分の顧客や知り合いの中で、営業マンに紹介できそうな方がいれば紹介する ※もちろん闇雲に紹介するのはNGです。その営業マンの紹介を受ける方にとってもメリットがなければ紹介はしません。
つまりは自分が求める(仕事がほしい)のではなく、能動的な気持ちで「役に立てることをこちらから提案する」という意識が重要であると考えます。
実際に私は、何のコネクションもないところから、この様な意識を持って、飛び込みで金融機関へ営業活動に行き、数か月後に仕事を受注した経験が複数回(それぞれ、別の金融機関)あり、その金融機関とは現在でも継続的な関係が続いています。
人脈作りでも受け身にならないことが大切
セミナーや交流会に参加して、人脈作りをする際も、同じことが言えます。
- まずは自分から話しかけてみる
- 相手のビジネスに興味を持つこと
- 自分を売り込むのではなく、相手が現在、困っていることや求めている人等をヒアリングの上、相手の役に立てることをこちらから提案すること
これらが大切です。
もちろん独立開業の直後だけでなく、継続的に仕事量を増やしていきたいと考えている限りは、上記の様なスタンスで、営業活動を行っていくべきでしょう。
まとめ
- 独立開業後に売り上げを増やしていける士業は受け身にならずに提案型の営業をしている士業
- 「仕事がほしい」とお願いするのではなく、「役に立てることをこちらから提案する」という意識が重要
- この様な意識付けがあれば、0からのスタートでコネクションがなくても都市銀行から仕事を受注することもできる
- 他士業等と交流会等で接するときも、受け身にならず、「相手に興味を持って、自分から話しかける」ことが大切
- 自分を売り込むのではなく、相手が現在、困っていることや求めている人等をヒアリングの上、相手の役に立てることをこちらから提案しよう